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「薬剤師ってどんな仕事?」
「薬剤師について詳しく知りたい!」
このような方に向けてこの記事では、薬剤師資格を保有し、実務経験がある私が薬剤師資格や仕事内容、就職先などの薬剤師全般について解説していきます!
石井康博
宮城県在住。私立薬科大学を卒業後、宮城県内に20店舗ある調剤薬局に入社 。2年目にはラウンダー薬剤師に任命され実務経験を積み、1日200枚の処方箋を応需する店舗で3年間の管理薬剤師を経験。大手調剤薬局によるM&Aをきっかけに転職。管理薬剤師を続けながら、WEBライターとしても活動している薬剤師歴10年目。「薬剤師の悩みを解決したい!」という思いが強くなり、メディア「yasublog」を立ち上げる。【保有資格】薬剤師、認定薬剤師
薬剤師とは?
薬剤師とは一言でお伝えすると「薬の専門家」です。処方箋の薬にくわしいのはもちろん、市販薬の知識もあるのが薬剤師です。薬を売るだけではなく、薬に関しての相談にものることができます。
薬剤師になるには
薬剤師になるには、大学の薬学部や薬科大学へ入学した上で、薬剤師の国家試験に合格する必要があります。これは薬剤師の国家試験の受験資格が薬学の正規の課程(以下「6年制薬学課程」という。)を卒業した者、その年に卒業見込み者となるからです。
薬剤師免許・資格とは?
薬剤師の資格は「国家資格」にあたります。6年制の薬科大学に通い、卒業試験を突破し、国家試験に合格しないかぎり薬剤師になれません。その免許を取るための薬剤師国家試験は、試験は年に1回、例年2月中旬から下旬ごろの土日に実施され、合格発表は3月下旬です。
試験地は全国9地区で大学や会議場を使って行われます。薬剤師国家試験の受験資格は、6年制薬学部の課程を修めて卒業することで得られます。
では、国家試験の難易度はどれくらいなのでしょう。
結論から言うと、難易度は「高め」です。2023年の合格率は下記の通りです。
新卒合格者:84.9%
全体合格者:69.0%
出典:厚生労働省「第108回薬剤師国家試験の結果について」
新卒の合格者は80%を超えるので「簡単なのでは?」と思われるかもしれません。しかし、新卒の受験者は「卒業試験を突破したエリートたち」というのを忘れてはいけません。
天才じゃないかぎり、1ヶ月や2ヶ月の勉強で受かるような試験ではないです。最低でも国家試験の半年前からスタートしないと難しいでしょう。
ぼくの場合は、1日10時間の勉強を半年くらい続けました。簡単な試験ではないため、そのくらいが妥当な勉強時間だと思います!
薬剤師国家資格の日程、試験地
第108回薬剤師国家試験の日程、試験地(参考:厚生労働省「第108回薬剤師国家試験の施行」)
試験日:令和5年2月18日(土曜日)及び 同月19日(日曜日)
試験地(9地区):北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、徳島県、福岡県
薬剤師国家資格の試験科目
試験科目について(出典:厚生労働省「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針」)
○ 現行の薬剤師国家試験においては、問題を必須問題及び一般問題に区分
(一般問題にあっては、薬学理論問題及び薬学実践問題に更に区分)し
た上で、科目を、「物理・化学・生物」、「衛生」、「薬理」、「薬剤」、「病態・
薬物治療」、「法規・制度・倫理」、「実務」としている。
第108回薬剤師国家試験の受験資格
次のいずれかに該当する者
- (1)薬剤師法第15条第1号の規定に基づく受験資格
学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づく大学において、薬学の正規の課程(学校教育法第87条第2項に規定するものに限る。)(以下「6年制薬学課程」という。)を修めて卒業した者(令和5年3月15日(水曜日)までに卒業する見込みの者を含む。) - (2)薬剤師法第15条第2号の規定に基づく受験資格
外国の薬学校を卒業し、又は外国の薬剤師免許を受けた者で、平成24年4月1日以降に、厚生労働大臣が(1)に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有すると認定した者 - (3)薬剤師法の一部を改正する法律(平成16年法律第134号。以下「改正法」という。)附則第2条及び第3条の規定に基づく受験資格
- ア 改正法の施行日(平成18年4月1日。以下「施行日」という。)において、改正法による改正前の薬剤師法(以下「旧薬剤師法」という。)第15条第1号に該当する者
- イ 施行日において、旧薬剤師法第15条第2号に該当する者
- ウ 施行日前に学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。以下同じ。)に在学し、施行日以後に旧薬剤師法第15条第1号に規定する要件に該当することとなった者(施行日以後に学校教育法に基づく大学に入学し、当該大学において、薬学の正規の課程(学校教育法第87条第2項に規定するものを除く。)(以下「4年制薬学課程」という。)を修めて卒業した者を除く。)
- エ 平成18年度から平成29年度までの間に学校教育法に基づく大学に入学し、4年制薬学課程を修めて卒業し、かつ、学校教育法に基づく大学院(以下「大学院」という。)において薬学の修士又は博士の課程を修了した者であって、厚生労働大臣が、薬剤師法の一部を改正する法律附則第3条の規定に基づく厚生労働大臣の認定に関する省令(平成16年厚生労働省令第173号)第1条の規定に基づき、改正法による改正後の薬剤師法(以下「新薬剤師法」という。)第15条第1号に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有すると認定した者
薬剤師国家資格の受験者数、合格者数、合格率(直近5年推移)
年度(試験回次) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成31年(104回) | 14,376人 | 10,194人 | 70.91% |
令和2年(105回) | 14,311人 | 9,958人 | 69.58% |
令和3年(106回) | 14,031人 | 9,634人 | 68.66% |
令和4年(107回) | 14,124人 | 9,607人 | 68.02% |
令和5年(108回) | 13,915人 | 9,602人 | 69.00% |
なお、薬剤師国家試験の最新情報は厚生労働省が公開している専用ページにおいて確認できるので、詳細を知りたい方はそちらのページも確認してみると良いでしょう。
参考情報)厚生労働省「薬剤師国家試験のページ」
薬剤師/石井康博さんの体験談
必須問題は簡単なものが多く、勉強していれば8割〜9割はとれる問題です。一方で、一般問題はふみこんだ問題が多いので、浅い知識では答えられないこともよくあります。合格するためのポイントは「暗記だけに頼らない」です。そもそも覚えることが膨大なので、すべて暗記しようと思っても絶対にできません。基礎を理解し、考えながら勉強することが合格の近道でしょう。
薬剤師と調剤師の違い
調剤師は薬を調剤して、渡せる人のことです。基本的には薬剤師と一緒で、薬剤師の旧称が「調剤師」と言われています。
薬剤師が活躍する職場と仕事内容
薬剤師が主に活躍できる場所は3つです。
- 調剤薬局
- ドラッグストア
- 病院
それぞれの仕事内容を解説していきます。
薬剤師が活躍する職場1:調剤薬局
令和2年12月31日における薬剤師数は、321,982人でした。そのうちのおよそ18万人が調剤薬局に勤めています。
つまり、薬剤師の半数以上は調剤薬局で働いているのです。
調剤薬局の仕事内容は、下記の通りです。
- 調剤業務
- 投薬業務
- 在宅業務
調剤業務とは、処方箋をもとに薬を準備することです。薬の飲み合わせチェックや、禁忌事項がないかのチェックも調剤業務に入ります。
投薬業務とは調剤された薬を患者様にお渡しすることです。厳密には投薬も「調剤」にあたるのですが、「薬の準備」と「薬を渡す」ではまったく業務が違いますので、ここではあえて別の業務にしています。「薬の適正使用」のために的確にアドバイスをする必要があります。
在宅業務は、お薬をご自宅までお届けすることです。医師や看護師、ケアマネージャーと密にコミュニケーションをとりながら、自宅で完結する医療を目指します。
薬剤師/石井康博さんの体験談
ぼくがはじめて就職したのは調剤薬局でした。入社したきっかけは2つあります。
・実家が調剤薬局だったから
・親しい先輩が働いている職場だったから
その会社に入社した理由は「人間関係を重視」していたからです。いくら年収が高くても、人間関係がギスギスしている職場では長く働けないと思っていました。入社前と入社後のギャップはそこまで大きくありませんでした。先輩からいろいろ情報を聞いていたからです。調剤薬局の良いところは残業がそこまで多くないのと、たくさんの人と交流がもてるところです。逆に大変なところは、繁忙期に入ると目が回るほど忙しいところですね。
薬剤師が活躍する職場2:ドラッグストア
薬剤師から根強い人気をもつのがドラッグストアです。調剤に関わる業務はほとんど調剤薬局と一緒なので、今回はそれ以外の仕事内容を紹介します。
- 一般薬販売
- 品出し・陳列
調剤薬局と大きく異なるポイントは「一般薬販売」でしょう。調剤薬局でも一般薬を販売してるところは多いですが、ドラッグストアに比べると種類が圧倒的に少ないです。一般薬を購入する方から、健康相談を受けるケースも多いです。
また、一般薬の種類が多いので、品出しや陳列の業務も増えます。売りたい商品のPOPを考えたり、陳列を工夫している企業が多いです。
薬剤師が活躍する職場3:病院
病院の薬剤師になっても、大きく仕事内容が変わるわけではありません。医師の処方に基づき、薬をお渡しするのがメインの仕事です。ただ、他の職種との大きな違いは「医師や看護師との距離が近い」ということです。
薬剤師/石井康博さんの体験談
病院では定期的にカンファレンスが行われています。カンファレンスとは大人数で行う「会議」のことです。様々な医療職が一同に集まり、治療方針を決定するとても大事な会議です。この場では医師や看護師から質問されることがあります。「この薬では効き目が悪いから、もっといい薬ないかな?」といったような質問です。調剤薬局やドラッグストアで働いてると、このようなカンファレンスに参加できる機会はほとんどありません。しかし、病院薬剤師で働くと当たり前になります。メリットは、学びを得る機会が多くなること。医師や看護師目線の知識も得られるので、勉強が好きな方にはぴったりな職場でしょう。
抗がん剤の調製も病院では行われます。クリーンベンチなどの環境がそろっているのも魅力の1つですね。
薬剤師の仕事の1日の流れ
調剤薬局で働く薬剤師の一日
調剤薬局で働く薬剤師が多いので、調剤薬局の1日の流れについて解説します。
【8:40〜】
出勤。朝の清掃を行い、朝礼を行う。朝礼では1日のスケジュールや申し送りを共有
【9:00〜】
午前の業務開始。調剤、投薬、在宅訪問、在庫管理など
【13:00〜】
昼休憩
【14:00〜】
午後の業務開始。内容は午前の業務と同様
【18:00〜】
薬の発注、クローズ作業。終わり次第退社
基本的には1日を通して調剤・投薬をするケースが多いです。ご自宅で医療を受けている方にはお薬を届けたり、医師や看護師、ケアマネージャーと密にコミュニケーションをとるのも業務の1つです。
薬剤師/石井康博さんのコメント
薬剤師は1日でこなすタスクが多いです。調剤や投薬がメインの仕事ですが、他にもシフト作成や電話対応、トラブル対応など、薬以外の仕事もしなければいけません。タスクが降りかかるたびに、優先順位をつけて行動する必要があります。タスク管理できないと、どんどん仕事が溜まっていくからです。個人的には、5分以内で片付けられるタスクにはすぐに着手します。逆にそれ以上時間がかかりそうであれば、後回しにすることが多いです。
職場の違いで1日の流れは変わるの?
職場による、1日の流れが変わるほどの大きな違いはありません。どこの調剤薬局でも、調剤と投薬がメインの仕事になるからです。しかし、細かい部分だと違いがあります。例えば、下記のような「報告業務」です。
・大手:上司への報告業務が細かく決められています。1つにかかる時間はそこまで負担になりませんが、数が多いので、業務を圧迫することもあります。
・中小企業:そこまで報告業務が多くはありません。その分、他の仕事に時間を使える傾向にあります。
薬剤師は体を動かす「動」の業務と、頭を使う「静」の業務があります。そのため切り替えが大変ですが、毎日充実してますよ!
関連記事:薬剤師の1日の仕事の流れ・スケジュールとは?【現役薬剤師が解説】
まとめ
薬剤師は決して楽な仕事ではありませんが、とてもやりがいのある職業です。お薬を飲んで病気が治り、「ありがとう」と感謝されたときは頑張ってきてよかったと、心から思えます。
資格をとるためには、6年生の大学を合格し、国家試験に受かる必要があります。簡単な試験ではありませんが、1度合格すれば「一生もの」の資格となります。
健康を守りたい人、薬が好きな人、医療に関与したい人。こういった方には薬剤師はとてもおすすめです。この記事が薬剤師を目指すきっかけになると幸いです。
ぼくは薬剤師10年目になりますが、今でも仕事が大好きです。共に薬剤師として働ける日を、楽しみにしています!
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