ショートステイで働く介護士の仕事内容・1日の流れ【勤務経験者が徹底解説】

「ショートステイで働いてみたいけれど、通常の入居施設と何が違う？」
「ショートステイの仕事内容や平均的な賃金が知りたい」

デイサービスや老人ホームなどのサービスは、一般の方にも認知があり「なんとなく分かる」といった方も多いです。しかし、ショートステイとなれば「どのようなサービスを提供しているの？」「老人ホームと何が違う？」とサービスについて知らない方もいらっしゃいます。

石田楓 / 介護福祉士、社会福祉主事

この記事では、介護福祉士、社会福祉主事の有資格者で新規ショートステイ立ち上げメンバーとしての経験がある筆者が仕事内容やショートステイで働くメリット・デメリット解説をしていきます！

記事執筆者

石田楓

北海道在住。商業高校卒業後、ホテルへ就職、web制作会社の営業への転職を経験する。20歳のときに初任者研修（当時のヘルパー2級）を取得し、グループホームの立ち上げスタッフとして介護施設へ転職。グループホームでは、現場職員として日常的な介護や夜勤を経験。23歳で介護福祉士を取得し、同じ介護業界の他社へ転職。配属先はショートステイで、2年ほど現場職員として勤務しながら社会福祉主事を取得。27歳のときに新規ショートステイ立ち上げメンバーに選ばれ相談員として異動。4年ほど相談員としてケアマネージャー・病院ワーカーとの連携や利用者家族の対応。現在は介護ライターとして活動する。【保有資格】介護福祉士、社会福祉主事

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Contents

ショートステイとはどんな施設
ショートステイで働く介護士の仕事内容
1. 基本の介護業務
2. ショートステイ特有の仕事
ショートステイの介護職員と生活相談員の仕事内容の違い
ショートステイでの仕事の1日の流れ/朝勤の場合
ショートステイでの仕事の1日の流れ/夜勤の場合
ショートステイの1日の流れのYouTube動画：ショートステイ　フローラ岩槻仲町の１日
ショートステイでの仕事内容は特有の業務があり、日勤と夜勤がある

ショートステイとはどんな施設

ショートステイとは、在宅で生活している方が一時的に宿泊する介護施設です。利用するための理由はさまざまで、例えば以下のような用事があって利用する方もいらっしゃいます。

ショートステイ利用意図例

「子どもの結婚式で遠方に行かなければならないので、おばあちゃんを数日預かってほしい」
「家を引っ越すので、引越しが完了するまで預かってほしい」
「仕事の繁忙期は介護している余裕がないので、一時的にショートステイを利用してほしい」

また、ショートステイはレスパイトケアとしての性質も持っているため、介護に疲れたご家族が休息するためにも利用されます。他にも、入所施設に空きができるまでのつなぎとして利用されるケースも多いです。

レスパイトとは

「respite（休息）」を意味する単語であり、福祉業界では介護を頑張るご家族様のケアといった意味で使用されます。要介護者を一時的に預かるデイサービスやショートステイは、レスパイト目的として利用されるケースが多いです。

一泊二日から最大30日まで利用でき、自費を払えば一ヶ月以上の利用もできます。

一般的な施設と違い毎日利用者が入れ替わるため、目まぐるしい施設です。その分、短期間に多くの利用者に関われるため、急速に知識と経験が身につきます。

提供されるサービスは、他の施設と変わりありません。食事や排泄といった日常動作のお手伝い、体調確認や内服管理、余暇活動などを行います。

ショートステイで働く介護士の仕事内容

石田楓 / 介護福祉士、社会福祉主事

ショートステイでは、一般的な介護業務に加え、ショートステイならではの業務も存在します。主な仕事内容を以下の表にまとめました。

基本の介護業務

食事介助	一人で食事がとれない方のお手伝いをします。身体能力の低下によって食べられない方や、認知面の低下で食べる動作をうまく思い出せない方など、対象はさまざまです。
排泄介助	自分でトイレに行けない方や、ズボンの上げ下げが難しい方のお手伝いをします。テープオムツ・リハビリパンツ・バルーン・ストマなどに対応しなければなりません。
更衣・洗面などの整容	自分で着替えができない、顔を拭けない、髪を整えられないといった方のお手伝いです。麻痺や疾病によって配慮するポイントが異なります。
移動・移乗介助	一人での移動が危険な方や、車椅子でしか移動ができない方のお手伝いです。イスに座る、ベットから立ち上がるなどの動作も補助します。
口腔ケア	口腔内の清潔を保つためのケアです。義歯の洗浄やうがいの促しなどを行います。
レクリエーション	利用者様に娯楽を提供するサービスです。ゲームを企画したり、スタッフ本人が演者となって楽しませたりと、内容は多岐にわたります。

ショートステイ特有の仕事

利用者様の情報収集	その日入居してくる利用者様の情報を収集します。ある程度の情報は相談員がわかりやすくまとめてくれていますが、足りない部分は自分で情報を取りに行かなければなりません。
入退所の荷物チェック	入所してきた利用者様の荷物をチェックし、退所する方の荷物をまとめます。入れ忘れや入れ間違いなどがないよう、しっかりとチェックしなければなりません。
家族との連絡ノートや手紙などの記入	退所する方の家族に宛てて、利用中の様子などを綴ります。形態は多種多様ですが、ほぼすべてのショートステイで行われている業務です。

このように、ショートステイは基本の介護業務に加え、ショートステイならではの業務もこなさなければなりません。

ショートステイの介護職員と生活相談員の仕事内容の違い

ショートステイは、介護職員と生活相談員の連携で成り立っています。介護職員は主に利用者様のケアに携わり、生活相談員はショートステイの運営全般に携わります。

介護職員と生活相談員では仕事内容にどのような違いがあるのか、一人の利用者様が入所してから退所するまでの流れにそってまとめました。

	介護職の仕事	生活相談員の仕事
①ケアマネージャーから利用の予約を受け付ける		◯
②担当者会議・契約		◯
③スケジュールの調整		◯
④入所の送迎対応	◯	◯
⑤利用時の介護	◯
⑥家族との連絡ノートや手紙の記入	◯	◯
⑦対処の送迎対応	◯	◯
⑧ケアマネージャーへ利用中の様子を連絡		◯

生活相談員は、他にも請求に必要な書類の収集、月末のレセプト業務、ときには営業などにも回ります。

ショートステイでの仕事の1日の流れ/朝勤の場合

ショートステイで日勤として勤務する際の流れをまとめました。

8:30	夜勤者から夜勤の状況や前日の日勤から引き継いだ内容を聞く
9:00	その日入所する方の居室を用意し、到着した順に荷物のチェック合間を見て排泄介助・水分補給・ナースコールの対応
11:00	昼食前の嚥下体操（施設によってはしないところもある）食前薬がある方の対応お茶やおしぼり、自助具などの準備
12:00	食事や水分の介助食事後は内服薬の介助食事が終わった方から口腔ケア・排泄チェック
14:00	その日の利用者様に合わせたレクリエーション前後に排泄チェック
15:00	おやつや水分の介助前後に排泄チェック退所者の荷物をまとめ、忘れ物がないかチェック
16:00	排泄のチェック食前薬がある方の介助お茶やおしぼり、自助具などの準備日中の出来事や前夜勤から申し送られた内容を伝える
17:30	食事や水分の介助食事後は内服薬の介助

施設によって多少の違いはありますが、大きな流れは変わりありません。

ショートステイでの仕事の1日の流れ/夜勤の場合

ショートステイで夜勤として勤務する際の流れをまとめました。

16:00	日勤者から、日中の出来事や前夜勤からの申し送りを聞く
17:30	食事や水分の介助食事後は内服薬の介助
18:00	食事が終わった方から排泄にまわり、歯磨きやパジャマへの着替えを行う
20:00	就寝薬がある方の介助軟膏・目薬などがある場合は一緒に行う
21:00〜	夜間帯は、オムツの方の排泄チェックや定時巡回、ナースコール対応などのしていく
6:00	朝食にまにあうよう起床していただき、着替えのお手伝いをする歯磨き、洗面、整髪、排泄なども同時に行う
7:00	食前薬がある場合は介助する食事や水分の介助食事後は内服薬の介助歯磨きの介助や排泄の介助
8:30	日勤者へ、夜勤中の出来事や前日の日勤から申し送られた内容を伝える
9:00	記録などを済ませて退勤