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「介護士ってどんな仕事?」
「介護士について詳しく知りたい!」
このような方に向けてこの記事では、介護士としての実務経験、転職経験のある筆者が、介護士の仕事について解説します。ぜひ参考にしてください!
佐藤恵美
愛媛県在住。高校卒業後、販売や営業事務を経験し、ハードワークで心身のバランスを崩す。その際医療職や家族、友人の助力を得て回復していくうちに「次は誰かを助ける仕事に就きたい」と思い立ち、30代終盤で介護職へ転身。病院の介護職員として7年勤務し、介護福祉士、社会福祉士を取得。8年目に生活相談員としてデイサービスに異動、介護職との兼務で相談業務に従事。その後短期契約にて放課後等デイサービスに勤務し、児童分野にも携わる。現在は老人保健施設の支援相談員として働きながら、Webライターとして活動中。【保有資格】介護福祉士、社会福祉士
介護士とは?
介護士は、高齢者や障害を持つ人々の日常生活をサポートする仕事に従事する人を指します。個々のニーズを汲み取り、状況に応じた支援の提供で暮らしやすさを支援するのが仕事です。
具体的な業務内容は以下の通りです。
・生活援助
洗濯、掃除、買い物、調理などの家事をサポートします。ただしこれは「本人への援助」と限られているため、同居家族の食事を作ったり庭の剪定などは対象外です。
・身体介護
食事、入浴、排泄など、要介護者に触れながら介助します。身体介護には車椅子や歩行器、杖を使う際の移動介助も含まれます。大変デリケートな業務のため、相手の尊厳を損なわない対応と細やかな心配りが必要です。
・その他
介護記録などの書類作成や、レクリエーションの企画立案、ご家族や連携先の対応なども介護士の業務です。
介護士が活かせる資格とは?
介護士の経験が活かせる資格を3つご紹介します。
・介護福祉士
・社会福祉士
・ケアマネージャー
いずれもキャリアアップに繋がる資格です。1つずつ見ていきましょう!
介護士が活かせる資格1:介護福祉士
介護福祉士は名称独占の国家資格です。「社会福祉士及び介護福祉士法」(昭和62年公布)を根拠法としています。
心身の障害を持つ人や高齢者など、日常生活に支障がある人々に対し専門的な知識や技術を用いて適切な介護を提供します。専門職として働きたい介護士さんにぜひ目指していただきたい資格です。
試験の形態 | 筆記試験:1月下旬・実技試験:3月上旬 |
筆記試験科目 (13科目) | ・人間と社会…人間の尊厳と自立、人間関係とコミュニケーション、社会の理解 ・領域:介護…介護の基本、コミュニケーション技術、生活支援技術、介護過程 ・領域:こころとからだのしくみ…発達と老化の理解、認知症の理解、障害の理解、こころとからだのしくみ ・領域:医療的ケア…医療的ケア ・総合問題…総合的な知識・技術を問う事例形式の問題 |
問題数 | 125問(1問1点) |
実施機関 | (公財)社会福祉振興・試験センター |
手数料 | ・受験手数料:18,380円 ・登録手数料:3,320円 |
筆記試験の合格基準 | 125問中60%程度の得点があり、全ての試験科目群に得点がある |
合格率 | 令和4年度は84.3% |
試験科目と問題数の多さに戸惑うかもしれませんが、合格率は高いためそこまで身構える必要はありません。ただし、全ての科目群において得点が必要ですので、0点の科目が1つでもあれば不合格となります。
国家試験を受けるには、まず受験資格の要件を満たす必要があります。しっかり確認しましょう。
受験資格を得るためのルートは複数ありますが、おすすめは「実務経験ルート」です。
実際に介護現場で働きながら、試験合格に必要な知識や技術を習得できますよ。
介護士が活かせる資格2:社会福祉士
社会福祉士は介護福祉士と同じく、名称独占の国家資格です。「社会福祉士及び介護福祉士法」(昭和62年公布)を根拠法としています。
社会福祉士の専門的知識と技術をもって、心身の障害や環境上の理由によって生活に支障をきたしている人々の相談に応じます。
相談に対しての助言や指導の他、必要に応じた医療福祉サービス事業所との連絡・調整も行います。サービスを求める人と提供する人の橋渡しをするのが社会福祉士の役割です。
試験の形態 | 筆記試験:1月下旬~2月初旬 |
筆記試験科目 (19科目) | 1.人体の構造と機能及び疾病 2.心理学理論と心理的支援 3.社会理論と社会システム 4.現代社会と福祉 5.社会調査の基礎 6.相談援助の基盤と専門職 7.相談援助の理論と方法 8.地域福祉の理論と方法 9.福祉行財政と福祉計画 10.福祉サービスの組織と経営 11.社会保障 12.高齢者に対する支援と介護保険制度 13.障害者に対する支援と障害者自立支援制度 14.児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 15.低所得者に対する支援と生活保護制度 16.保健医療サービス 17.就労支援サービス 18.権利擁護と成年後見制度 19.更生保護制度 |
問題数 | 150問(1問1点) |
実施機関 | (公財)社会福祉振興・試験センター |
手数料 | ・受験手数料:19,370円 ・登録手数料:4,050円 |
筆記試験の合格基準 | ・150問中60%程度の得点かつ、問題の難易度で補正した点数以上の得点がある ・全ての試験科目群(18科目群)に得点がある (17.就労支援サービスと19.更生保護制度は1つの科目群としている) |
合格率 | 令和4年度は44.2% |
こちらは介護福祉士よりも合格率が低い上、資格の性質上出題範囲が広い試験です。介護福祉士と同じく、国家試験の前に受験資格の要件を満たさなければいけません。
介護の経験を活かして、より幅広い分野で活躍したい方におすすめの資格です。介護福祉士と同じく、受験資格を確認しておきましょう。
私は介護福祉士試験の翌年に社会福祉士試験に挑みました。ルートは「一般養成ルート」。かなり苦戦しましたが、資格を取ったことで業務の幅が広がりました!
介護士が活かせる資格3:ケアマネージャー
ケアマネージャー(介護支援専門員)は「介護保険法」で規定された公的資格です。
要介護者・要支援者の相談に応じ、状況に沿ったケアプランを立案・作成するのが主な業務です。市町村やサービス事業所との連絡調整を行い、専門的知識をもって適切な支援を計画する役割を持ちます。業務内容は2つに大別されます。
・居宅における業務:自宅で暮らす人々へのケアプラン作成及び事業所との連絡調整
・施設における業務:施設に入所している人々へのケアプラン作成及び施設職員との連絡調整
介護士 佐藤恵美さんの体験談
私は病院で働きながら、介護福祉士と社会福祉士を取得しました。当時は夜勤がかなり多かったので、時間管理には特に苦労した覚えがあります。仕事をしながらの勉強は睡眠時間を削ったり食事を適当にしたり、時間を確保しようと一生懸命になるでしょう。ですが必要な時間、特に睡眠を削るのは絶対におすすめしません。記憶力はもちろん、判断力も低下して業務に支障をきたしてしまいます。また、食事がおろそかになると体に必要な栄養が届かず体力が損なわれます。介護業務にも勉強にも身が入らず、効率が下がるので睡眠と食事内容には配慮して生活してみてください。私は早い段階から、手帳に仕事や移動、食事や入浴、睡眠など絶対に消費する時間を記入していました。こうすると空白の時間=勉強に充てられる時間と分かって便利ですよ。勉強方法に関しては、とにかく効率重視で過去問題集が中心でした。5年分の問題を3回ずつ。間違えた問題があれば都度テキストで確認していました。最初からテキストを読まず、辞書代わりのように使っていましたよ。
介護士が活躍する職場と仕事内容
介護の仕事といっても、その職場は多様。介護士は様々な場所で求められています。ここでは次の4つについて、特徴や仕事の内容を解説します。
・病院
・老人ホーム
・デイサービス
・訪問介護
職場が違うと業務内容もかなり違いますよ!
介護士が活躍する職場1:病院
病院は医師や看護師を始め、リハビリ職や管理栄養士、検査技師など様々な職種の職員が連携を図り運営しているのが特徴です。介護士の業務も大変幅広いものとなっています。
・日常生活支援:食事や入浴、更衣、排泄など日常生活動作をサポートする
・カルテ入力:患者様の様子を介護士の視点で電子カルテに入力する
・患者様の心のケア:心身が弱っている患者様の話を傾聴し、心が少しでも軽くなるようケアに努める
・環境整備:清潔保持された部屋を保てるよう、毎日病室の清掃・整理整頓を行う
・備品管理:車椅子やポータブルトイレなど、病棟で管理している備品の数や状態をチェックし、破損があれば報告する
・医療職をはじめとする他職種との連携:患者様の様子や言動に注意を払い、医師や看護師と情報を共有する
介護士 佐藤恵美さんの体験談
私は全く業種の違う事務職に就いていましたが、オーバーワークで体を壊して辞めた経験があります。その際、医療職の方々には大変お世話になりました。徐々に回復してきた頃「今度働くなら、専門性があって人の役に立つ仕事をしたい」と考えるようになり介護職を志しました。職場の種類が多く悩みましたが、地元の大きな病院が求人を出しているのを知り応募。ゆくゆくは社会福祉士を取得し相談職に就くのが目標だったので、身近に相談員さんがいる環境も魅力的だったのです。
実際入職すると、介護業務以外にも備品管理や入浴予定作成など事務的な仕事も多く覚えるのに苦労しました。この時介護の仕事は未経験でしたから、流れを掴むのも時間がかかったのを覚えています。特にギャップは感じませんでしたね。また、病院ならではの利点も多かったです。多角的に患者様を捉える場に立ち会えたのがその1つ。医師や看護師だけでなく、リハビリ職や管理栄養士などの多職種がそれぞれの視点で協議するカンファレンスに参加でき、本当に勉強になりました。
介護士が活躍する職場2:老人ホーム
老人ホームは高齢者の生活の場です。老人ホームに勤務する介護士は、日々の暮らしのケアを行い、その人に合ったサービスを提供したり、体調の変化を敏感に感じ取り医療に繋げたりと、暮らしの全てにおいて細やかな心配りが求められます。
業務内容は次の通りです。
・日常生活支援:食事、入浴、更衣、排泄など日常生活動作をサポートする
・身体介護:褥瘡予防、体位変換、移動支援など身体的なケアを提供する
・薬物管理:薬の管理や服薬をサポートする
・健康観察: バイタル測定や表情、仕草などから体調の変化を観察する
・社会活動の支援:コミュニケーションをとりながら、様々な活動を通じて社会との繋がりを持てるよう支援する
・レクリエーション活動:趣味や娯楽活動を提供し、生活の質を向上させるための活動を企画・実施する
・家族との連絡調整:入所者の体調の変化や状態、面会日程、ケアプランのニーズなど、連絡をとりながら情報共有を図る
・介護記録作成:日々のケア内容や入所者の状態を正しく記録し、報告書を作成する
・安全管理:高齢者の安全を確保するため、転倒予防や環境整備を行う
介護士が活躍する職場3:デイサービス
デイサービスは、普段自宅で生活している要支援者、要介護者が日中利用する施設です。勤務する介護士は夜勤がなく、比較的ワークライフバランスが整えられる職場と言えるでしょう。
業務内容は以下の通りです。
・送迎:利用者様の自宅まで安全に送迎する
・日常生活支援:食事、入浴、更衣、排泄など日常生活動作をサポートする
・健康観察:バイタル測定や表情、仕草などから体調の変化を観察する
・活動プログラムの実施:利用者の能力に合わせたリハビリテーションやレクリエーション活動を計画し、実施する
・ケアプラン立案:利用者本人や家族からニーズを聞き取り、ケアプランを立案する
・介護記録作成:日々のケア内容や摂食量、利用者の状態を細かく観察し記録する
介護士が活躍する職場4:訪問介護
訪問介護は自宅で暮らす高齢者や障害を持つ人を訪問し、決まった時間内で生活に関わる様々なサポートを行います。
業務内容は以下の通りです。
・身体介護:食事・排泄・入浴の介助を行う
・生活援助:掃除・洗濯・買い物・調理などを支援する
・移動介助:通院時など、送迎が必要な際サービスを提供する(事業所による)
・訪問記録作成:いつ誰の自宅を訪問し、どのようなサービスを提供したか詳細に記録する
ただし、訪問介護では提供できないサービスが定められているため注意が必要です。
・利用者本人以外へのサービス:家族への食事の提供、来客の対応など
・日常生活の援助からかけ離れたサービス:ペットの世話、庭木の剪定、大掃除など
介護士の仕事の1日の流れ
ここでは、病棟勤務(日勤)の介護士を例に挙げてご紹介します!
8:15 出勤
8:30~ 情報収集や朝食介助・下膳など
9:00~ 排泄や入浴の介助・環境整備・ナースコール対応
12:00~ 昼食配膳・介助
12:30~ 昼休み
13:30~ カンファレンス出席
14:00~ 排泄や入浴の介助・環境整備・ナースコール対応
16:00~ 備品チェック・翌日の入浴予定表作成
17:00~ 患者様ごとに気付いたことを電子カルテに入力
17:30~ 退勤
病棟勤務の場合、毎日入浴当番や環境整備当番など、業務内容が変わるケースがあります。そのため1日の流れも日々変わりますが、基本的にナースコール対応が業務の大半を占めると言って良いでしょう。
病棟勤務の介護士は、医療職やリハビリ職と連携し、個々に合ったケアを常に提供しなければなりません。排泄ケアひとつとっても、終日おむつ着用の方、介助すればトイレでの排泄が可能な方、寝たきりの方など、患者様によって必要なケアは異なります。職種を跨いで互いの視点を共有することで、患者様にとって最適なケアを導き出します。
また、介護士の仕事は介助だけではありません。心身共に弱っている患者様の話を聞き、少しでも穏やかな気持ちになってもらえるよう働きかけるのも大事な仕事です。
医療職よりも更に患者様に近い存在として、介護士は「人としての関わり」を念頭に置き、患者様と向き合うよう心掛けねばなりません。
介護士 佐藤恵美さんの体験談
私はごく普通の事務職員から病院の介護職員に転身しました。もちろん介護の経験も知識もゼロの状態です。最初は用語も分からず、物品も初めて見るものばかりでした。戸惑うばかりで思うように動けず「続けられるかな…」と不安になったのを覚えています。ですが、周りの先輩方に支えられながら日々まっすぐ仕事に向き合っていると信頼してもらえるようになり、いつの間にか1人でほとんどの業務をこなせるようになっていました。
介護職はコミュニケーション能力や明るさが必要とも言われますが、私は人見知りで会話上手でもありません。それでも、ひとつひとつ丁寧に仕事や周りの人に関わっていると職場が「心地よい居場所」になったんです。介護は多くの人と関わり、多様な考えに触れる機会に恵まれます。自分の人間としての成長に繋がるお仕事ですよ。
介護職に転職するなら、転職エージェントを活用しよう!
ここまでが介護士の仕事に関する情報でした。いかがでしたでしょうか!
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