介護職で給料を上げる方法とは？【介護士が解説】

「介護士としてもっと給料を上げたい！」
「介護士として働いてるけど、給料ってどうすれば上がるの？」

石田楓 / 介護福祉士、社会福祉主事

このような方に向けてこの記事では、実際に介護士としての実務経験がある筆者が、介護士が給料を上げる方法について解説します。ぜひ参考にしてください。

記事執筆者

石田 楓

北海道在住。商業高校卒業後、ホテルへ就職、web制作会社の営業への転職を経験する。20歳のときに初任者研修（当時のヘルパー2級）を取得し、グループホームの立ち上げスタッフとして介護施設へ転職。グループホームでは、現場職員として日常的な介護や夜勤を経験。23歳で介護福祉士を取得し、同じ介護業界の他社へ転職。配属先はショートステイで、2年ほど現場職員として勤務しながら社会福祉主事を取得。27歳のときに新規ショートステイ立ち上げメンバーに選ばれ相談員として異動。4年ほど相談員としてケアマネージャー・病院ワーカーとの連携や利用者家族の対応。現在は介護ライターとして活動する。【保有資格】介護福祉士、社会福祉主事

介護士が給料がなぜ安いのか

世間一般では「介護士は給料が安い」といった認識がされています。実際のところ、介護士の年収は日本の平均年収と比較して50万円ほど低いです。

介護士の給料が平均よりも下回っている理由として、以下の原因が大きく関係しています。

介護士の給料が低い要因１：報酬が決められているから

介護事業所の報酬は国によって定められており、各事業所で料金設定ができません。国で定められた報酬から事業所の経費を差し引いた分が給与として割り振られるため、サービスの良し悪しで大きく給料をあげられないといった問題があります。

介護士の給料が低い要因２：お客様（利用者）の上限が決められているから

サービス形態ごとに受け入れ人数の上限が定められているため、利用者を増やして収入を上げることもできません。全てのサービスで細かに報酬が設定されているわけではありませんが、自由に設定できる部分で報酬を上げるのは難しいのです。

このような背景から、介護士の給料は平均よりも下回る結果となってます。

介護士が給料を上げる方法1：資格を取る

給料アップを目指すためには、保有資格を増やすという方法があります。ほとんどの事業所では、保有資格に応じた資格手当が用意されているからです。給料に直接関係してくる資格として、以下の4つがあります。

実際に、保有している資格に応じて給料が上がっているというデータもあります。

情報ベースでみると、無資格者と介護福祉士との間には、給与に5万円程差があります。しかし、実際に介護福祉士を取得したから5万円給料が上がるというわけではありません。表のデータには、経験年数や任されている仕事の責任も加味されています。

資格手当だけでいうと、支給額のベースは以下のとおりです。

表の金額を見てしまうと少額に感じるかもしれませんが、資格取得はキャリアアップのベースとなる部分です。長期的な視点で給料アップを目指すのであれば取得しておいて損はありません。

介護士が給料を上げる方法2：夜勤に入る

早急に給料をあげたいのであれば、夜勤に入る回数を増やす方法が有効です。夜勤の回数を増やせば、1回の夜勤につき以下の金額が加算されます。

ほとんどの施設は2交代制を採用しているため、月に4回夜勤をしたとすれば、24,044円給料がアップする計算になります。

さらに給料を上げたいのであれば、夜勤専従のスタッフとして働く方法もあります。なぜなら、夜勤専従スタッフの夜勤手当は、一般の介護スタッフよりも高く設定されている場合がほとんどだからです。

一例として、同一事業所が出していた求人の比較画像を用意しました。

画像の施設では、一般職員の夜勤が1回7,500円なのに対し、夜勤専従は1回で27,000円となっています。全ての事業所で一律画像の金額で設定されているわけではありませんが、夜勤専従の方が手当を高く設定しているところがほとんどです。

急いで給料を上げたい方であれば、夜勤専従としての働き方を検討するのもよいでしょう。ただし、勤務が夜勤ばかりになってしまうため、生活リズムの崩れによる体調不良などを誘発する可能性もあります。

介護士が給料を上げる方法3：キャリアアップする

介護リーダーや介護主任などに役職がアップすれば役職手当をもらえるため、給料アップが期待できます。役職アップに限らず、生活相談員やケアマネージャーとなり、専任業務に対する手当をもらうのもよいでしょう。ほとんどの事業所ではキャリアアップにともなって基本給も上がるため、ボーナスの額面アップも期待できます。

参考までに、職種別の平均給料は以下のとおりです。

ただし、キャリアアップを目指すには、ある程度の経験や特定の資格取得が必要です。また、「やりたいです」と手をあげてなれるものでもありません。事業所が介護主任や生活相談員、ケアマネージャーを必要とするタイミングで選抜してもらえるよう、準備しておく必要があります。

介護士が給料を上げる方法4：長く働いて給料を上げる

厚生労働省の調査によると、勤続年数が長ければ給料が高くなるというデータが出ています。時間はかかりますが、長く働いて給料を上げるのも1つの方法です。

表のように勤続年数に応じて給料が上がる事業所もあれば、何年働いても給料が上がらないという事業所もあります。働いている事業所が勤続年数に応じたベースアップの制度を整えているのであれば、長く勤めて少しずつ給料アップを目指すのもよいでしょう。

介護士が給料を上げる方法5：転職をする

給料の高い事業所へ転職して給料をあげる方法もあります。介護施設はサービス形態によって月の給料が異なるため、より給料の高い施設へ移るのも選択肢の1つです。

サービス形態ごとの平均給料は以下の表をご覧ください。

サービス形態の違う施設でなくとも、同じサービス形態で給料の高い事業所は多くあります。現在の職場で昇給・役職アップに希望が薄いのであれば、転職してしまうのもよいでしょう。

転職による条件アップの体験談コメント

介護福祉士、社会福祉主事/石田楓さんの体験談

私自身、介護士として1度転職をした経験があります。転職した理由は介護士として経験値をあげたかったからですが、結果的に給料が少しだけ上がりました。とはいえ、偶然、転職先の給料が以前の職場よりも高かったというわけではありません。もともと給料が下がるような転職は検討していなかったのと、実際に転職先で働いている人から給料の話を聞けたのが大きかったです。色々と情報収集をして「ここなら給料が上がるし、経験も積める」と思って転職を決意しました。転職で給料アップを目指し、さらに良い職場環境で働くためには、実際に職場の情報を持っている人・サービス・機関に話を聞くのがおすすめです。転職による給料アップは決して難しいことではありません。現在の職場に給料面で不満がある場合は、転職を視野に入れてみてはいかがでしょうか。実際に転職はせずとも、転職活動は無料でできます。いろいろな事業所を比較検討し、自分の望んだ条件に合う事業所に転職するのが、結果的に長期的な給料アップにつながる可能性もあります。

介護士が給料を上げるなら転職エージェントを上手く活用しよう！

いかがでしたでしょうか。この記事では、介護士が給料を上げる方法についてご紹介してきました。この記事が介護士として働く方々の一助になれば幸いです。

MIRAISTEP 編集部

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