内定後流れと会社への報告、退職方法とは?

この記事は転職先が決まったら、退職手続きについて退職方法と流れについてまとめた記事です。

キャリアアドバイザー/吉川純子
キャリアアドバイザー/吉川純子

しっかりと退職手続きを行わないと、退職交渉が難航し、「転職先の入社日に間に合わない」などのトラブルになる可能性がありますので、退職方法と流れについてポイントをしっかりと押さえておきましょう。

監修者
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特定社会保険労務士 岡 佳伸
社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表

大手人材派遣会社、自動車部品メーカーなどで人事労務を担当した後に、労働局職員(ハローワーク勤務・厚生労働事務官)としてキャリア支援や雇用保険給付業務、助成金関連業務に携わる。現在は開業社会保険労務士として活躍。各種講演会(東京商工会議所練馬支部、中央支部、各都道府県社会保険労務士会)講師及び各種WEB記事執筆、日経新聞、読売新聞、女性セブン等に取材記事掲載、NHKあさイチ2020年12月21日、2021年3月10日にTVスタジオ出演。特定社会保険労務士、キャリアコンサルタント、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、消費生活アドバイザー。

退職の手順とポイント

会社の就業規則をあらかじめ確認しておき、一連のルールに沿って退職手続きを行います。就業規則が分からないという人は、既に退職した同僚にアドバイスをもらうというのも一つの手です。

  • 上司に退職を伝える
  • 退職理由の伝え方
  • 退職手続きを行う
  • 退職日の決定
  • 退職届の提出
  • 保険・年金等の手続き
  • 貸与品の返却・ロッカーの片付け
  • 業務の引き継ぎ
  • 最終出社日に行うこと

上司に退職を伝える

まず初めに退職することを決めたら、直属の上司に退職の意思を伝えましょう。

上司は日々の業務で忙しいため、あらかじめ面談できる日を伺い、ゆっくり話せる時間を作ってもらいます。必要に応じて会議室を予約し、二人きりで話せる空間を用意しておくのもポイントです。

会社の就業規則により異なりますが、退職の意思表示は1ヶ月半〜3ヶ月前までに伝えるのが一般的です。

特定社会保険労務士
岡佳伸
特定社会保険労務士 岡佳伸

ただし民法上、雇用期間の定めのない雇用契約は2週間前に告知することで解約できるとされています。会社の就業規則よりも民法が優先しますので、少なくとも退職日の2週間前までに会社に伝える必要があります

引き継ぎが必要な場合は、引き継ぎができる期間を逆算しておき、早めに上司に伝えることが大切です。

退職理由の伝え方

退職理由をどのように伝えたらよいか悩む人は多いのではないでしょうか。下記のように注意点もいくつかあります。

注意点
  • 残業が多すぎる」「給料が低い」など、会社に対する不満は言わない
  • 「新しい職種にチャレンジしたいから」などの前向きな理由を伝える
  • 退職理由と併せて感謝の気持ちを伝える
  • 「退職の相談」ではなく、退職を「決定事項」として報告する
  • 退職に関して曖昧に答えず強い意思を持って伝える

転職が理由で退職する場合には、「転職先が決まったため」と伝えても問題ありません。転職先の会社名については、基本的に答える必要はありません。

万が一引き止めにあった場合は、「恐縮ですが入社日が決定しているため申し訳ありません」とはっきりと意思を伝えることが大切です。ここで曖昧に答えてしまうと、転職先の入社日に間に合わないなどのトラブルが発生することも考えられます。

退職手続きを行う

上司に報告した後は、退職日を決定し退職手続きを行います。退職手続きマニュアルが作成されている会社もありますので、退職手続きマニュアルに沿って準備を行いましょう。

退職日の決定

退職日は、残りの有給日数と転職先の入社日を考慮し、上司と相談の上決定します。転職先の入社日が迫っている場合には、全て有休消化できない場合がありますので注意が必要です。

退職届の提出

必要に応じて退職届の提出を行います。会社規定の退職届がある場合がありますので、上司に確認してから退職届を提出しましょう。

保険・年金等の手続き

退職時は健康保険、厚生年金に関する手続きが必要です。

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特定社会保険労務士 岡 佳伸さんのコメント

退職時に直ぐに次の就職先が決まっている方で、離職後に1日の間隔も開けず次の就職先に入社する人については、健康保険や厚生年金、雇用保険の切替手続きは前職の会社が退職手続き及び新しい会社が入社手続きをするので不要になります。
次の就職先が決まっておらずに間隔が空く方は、退職前に健康保険や失業保険(雇用保険の基本手当等)の状況を確認しましょう。健康保険は退職前の健康保険の任意継続手続き(退職後20日以内に手続きが必要)又は国民健康保険への加入、親族等の扶養親族(被扶養者)になる手続きの中から条件に併せて選択することになります。国民年金については国民年金の第1号被保険者になるか又は配偶者の被扶養者になり国民年金の第3号被保険者になることが出来る場合もあります。失業保険(雇用保険の基本手当等)を受給する場合は前職の会社から離職票を受領する必要があります。失業保険(雇用保険の基本手当等)受給する場合は離職前に原則雇用保険の被保険者期間が、離職前に2年間に12か月(特定受給資格者又は特定理由者は1年間に6か月間)必要になります。離職票は国民年金保険料の免除手続きでも使用することがあります。必ず貰うようにしましょう。

キャリアアドバイザー/吉川純子
キャリアアドバイザー/吉川純子

そのほか団体生命保険、確定拠出年金、社宅の退去など会社により必要な手続きがあるため、退職日までに漏れのないよう手続きを行いましょう。

貸与品の返却・ロッカーの片付け

会社から貸与されている制服や備品などがあれば準備しておき、退職日に返却します。万が一、貸与品を紛失している場合は顛末書の記入が必要な場合があるため、早めに確認し、顛末書の準備をしておきましょう。

また私物の片付けは、少しずつ持ち帰るようにしておきましょう。退職日はプレゼントをもらったり、当日の荷物で全て持ち帰れないことがあります。出社時に少しずつデスクやロッカーを整理しておき、最終出社日は感謝の気持ちを込めて掃除し次の人が使いやすい状態にしておくとよいでしょう。

業務の引き継ぎ

退職日が決まったら業務の引き継ぎを行います。

後任者がいる場合は、業務内容を漏れなく引き継ぎ、不明点がないようにしておくことが大切です。退職後に後任者から連絡がくることのないよう引き継ぎ資料を用意しておくなど工夫し、後任者が安心して業務を行えるようにしておきましょう。

また取引先がいる場合には、早めに挨拶を行い、後任者の名前と連絡先を伝えるなど取引先が困らないように注意しましょう。

最終出勤日に行うこと

最終出社日には、引き継ぎの漏れがないか最終確認を行い、身の回りの整理整頓を行いましょう。またロッカーの鍵や社員証など、最終日まで使うものを会社に返却します。

最後は感謝の気持ちと敬意を持って、お世話になった会社の上司や同僚に挨拶をしましょう。

キャリアアドバイザー/吉川純子
キャリアアドバイザー/吉川純子

シフト制の職場で全員に挨拶ができない場合は、日持ちする個包装のお菓子や手紙を用意しておくと喜ばれるのでお薦めです!

まとめ

今回の記事の要点を以下にて簡単にまとめました。

  • 上司に退職を伝える
  • 退職理由の伝え方
  • 退職手続きを行う
  • 退職日の決定
  • 退職届の提出
  • 保険・年金等の手続き
  • 貸与品の返却・ロッカーの片付け
  • 業務の引き継ぎ
  • 最終出社日に行うこと

退職理由の伝え方には注意点もあります。しっかりと確認しておきましょう。

注意点
  • 残業が多すぎる」「給料が低い」など、会社に対する不満は言わない
  • 「新しい職種にチャレンジしたいから」などの前向きな理由を伝える
  • 退職理由と併せて感謝の気持ちを伝える
  • 「退職の相談」ではなく、退職を「決定事項」として報告する
  • 退職に関して曖昧に答えず強い意思を持って伝える

いかがでしょうか。今回は、退職の方法・退職手順についてご紹介しました。退職は人生において重要なイベントです。将来の自分のために強い意志を持って退職を伝え、お世話になった会社を円満に退職できるようにしましょう。