PR
「美容師ってどんなことをしているの?」
「美容師になりたい!」
このような方に向けて、この記事では美容師国家資格を保有し、美容師としての実務経験がある私が美容師資格や仕事内容、就職先などの美容師全般について解説していきます!
西川美沙季
福岡在住。福岡の美容学校卒業後、東京吉祥寺のサロンにて2年間アシスタントとして勤務。1年目にはお客様に声かけをしたり店販で売り上げたりして成績を納めたので、新人賞を受賞し表彰される。2年でスタイリストデビューし、インスタやminimoでの集客で成果を上げる。レディースのカラーやカットを得意としており、特にブリーチ無しのワンカラーをメインに集客。施術以外でもアシスタントリーダーや検定員などを務めた。【所有資格】美容師国家資格、カラーコーディネーター、アロマセラピスト等
美容師とは?
美容師とは、カットやパーマ、カラーリングなどの技術を駆使し、ヘアスタイルを整える職業で、美容室・ヘアサロンが主な職場です。
厚生労働省の定める美容師法によると、”美容師は「美容を業とする者」をいい、美容師法に基づき厚生労働大臣の免許を得なければならない”と定義されており、美容師として働くには、国家資格である美容師免許が必要です。厚生労働省の調査によると、美容師の数は令和2(2020)年度末時点で全国に549,935人となっており、増加傾向にあります。
美容師免許・資格とは
美容師免許は、美容師として仕事をする上で取得必須の国家資格です。
美容師国家試験に合格した後に免許申請を経て、美容師名簿に登録されることによって、美容師として働く資格を得ることができきます。
美容師免許は、いわゆる美容師だけでなく、まつ毛エクステンションを行うアイリストにも必要な資格です!
第47回美容師国家試験の合格基準
1 筆記試験の合格基準
次の(1)及び(2)の両方の条件を満たしている場合を合格とする。
(1) 55問中60%以上の正答率であること
(2) 関係法規・制度及び運営管理、公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術、人体の構造及び機能、皮膚科学、香粧品化学、文化論及び美容技術理論のいずれの課目においても無得点がないこと
(なお、問題17については、(1)及び(2)のいずれも正解とする。また、理容師免許所持により美容技術理論のみの受験を申し出た者については、美容技術理論12問中7問以上の正答数である場合を合格とする。)
2 実技試験の合格基準
次の(1)及び(2)の両方の条件を満たしている場合を合格とする。
(1) 衛生上の取扱試験
減点が20点以下であること
(2) 基礎的技術試験(①及び②の両方の条件を満たしていること)
① 第1課題 カッティングの減点が30点以下であること
② 第2課題 ワインディングの減点が30点以下であること
データ参照元:第47回理容師国家試験及び美容師国家試験実施結果
美容師国家試験の受験者数、合格者数、合格率
令和4年度に実施された第47回美容師国家試験に関わるデータは下記の通りです。
第43回から第47回までの美容師国家試験の受験者数、合格者数、合格率の推移は以下の通りです。
試験 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和2年度2月(第43回) | 18,107人 | 15,502人 | 85.6% |
令和3年度8月(第44回) | 4,774人 | 2,871人 | 60.1% |
令和3年度2月(第45回) | 18,536人 | 17,104人 | 92.3% |
令和4年度8月(第46回) | 3,548人 | 2,145人 | 60.5% |
令和4年度2月(第47回) | 19,505人 | 17,266人 | 88.5% |
美容師国家試験は2月と8月の年2回開催されます。多くの学生が在学中の2月に受験をすることから、同じ年でも受験時期によって受験者数に大きな差がうまれます。また、受験者数と合格者数が増加傾向であるということが見て取れます。
美容師/西川美沙季さんの体験談
筆記試験はほぼ過去問から出題されます。解答形式は4択から選ぶので漢字や正式名称を覚える必要はありませんが、ひっかけ問題も多いので、過去問を繰り返し解いて問題の傾向を掴んでおくことが大切です。実技試験は先生のアドバイスをよく聞いてとにかく練習するのみです!審査基準や失格項目などを理解して練習を繰り返すしかありません。練習中に一度も指を切ったことのなかった友人が本番で初めて切ってしまい、パニックになったと言っていました。こんな風に本番はいつもと違うことも起こるので、色々な事態を想定して事前に準備しておきましょう!あとは自分より先に試験を受けた友達に会場の雰囲気などを聞いておくと緊張が和らぐかもしれませんね!
美容師と理容師の違い
・美容師の定義
美容とは「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」とされている。美容師がコールドパーマネントウェーブ等の行為に伴う美容行為の一環としてカッティングを行うことは美容の範囲に含まれる。(引用:美容師法/厚生労働省)
・理容師の定義
理容とは「頭髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整えること」とされており、刈り込み等の行為に伴う理容行為の一環として男子に対し仕上げを目的とするコールドパーマネントウェーブを行うことは理容の範囲に含まれる。染毛も理容・美容行為に含まれる。(引用:理容師法/厚生労働省)
具体的に言うと美容師は顔そり、剃り込みができず、理容師はまつ毛パーマやエクステを施術することはできません。他にも法律的にできないわけではないものの、フェードカットやパンチパーマなどの施術は美容室では難しいです。
お客様のニーズも施術内容も異なるので、この違いは理解しておかないといけません。
美容師が活躍する職場と仕事内容
美容師が活躍する職場1:ヘアサロン、美容室、美容院
一番想像しやすく、美容学校からの就職先で多いのが美容室、ヘアサロンへの就職です。
仕事内容
就職先や配属店舗によって異なりますが、1〜8年ほどはアシスタントとして、営業中は先輩のアシストやシャンプー、掃除などをし、営業後はウィッグ(頭だけの人形)やモデルで練習をします。スタイリストデビューしてからはカットやカラー、パーマ、ヘアセットなどをしたり、営業後に後輩の練習を見たりします。
美容師としての施術に加え、SNSでの集客やマーケティング、営業力、販売力なども必要であるため、業務は幅広いと言えます。商品をおすすめして買ってもらうことも大切なので、プレゼン力も試されます。
アシスタントの時には、1人でもスタイリストのお客様が長引いていたら終わるまでレッスンもできず、帰ることもできないなんてこともあります。
特徴
年々解消はされているようですが、基本的に立ち仕事で休憩は少ないです。お店にもよりますが、朝は早く夜は遅いことも多いです。
また、美容室には鏡が多く常にお客様に見られるので、身なりや表情にもかなり厳しいです。流行のものを身に着けつつお客様が不快に思わない服装をしたり、どんなに寝不足でも顔に出しては行けなかったりとかなり気を張ると思います。また、ノーセットやすっぴんに見えるナチュラルメイクでの営業は禁止のところが多いです。
メリット
美容師としての経験があれば、今後どの美容業界にも行きやすいといった特長があります。ヘアメイクの現場では美容師経験〇年以上などとなっているところも多く、まずは美容師で経験を積んでからキャリアチェンジしようと考えている人も多いです。
美容師/西川美沙季さんの体験談
私は総従業員数500人越えのチェーン店に新卒入社しました。決め手はそこそこの大手だったので、福利厚生や労働時間などの条件がよかったことです。出勤時間はスタイリストと同じで良かったのでそこまで早くなく、営業後のレッスンも強要はされず個人の判断でしたいときに、というスタンスでした。また、お客様が少ない問には営業中にレッスンをしてもいいとのことだったのはありがたかったです。ただやはり、基本的にはお昼休憩はなく、長くて30分でした。年々改善されていっているようですが、お客様に合わせて予定が決まるためこれはある程度仕方のない特徴なのかもしれません。アシスタントの時に大変だったのは、スタイリストの考えを汲み取って行動しなければいけなかったことです。スタイリストによって好みや独自の考え方を持っているかたもいたので、そこも把握して常に周りを見ながら動いてました。スタイリストになってからは全責任が自分にあるので、自分のミスはもちろん、アシスタントの子のミスも謝罪して修正しなければいけなかったことが大変でした。手の尽くしようがないミスの場合にそれを伝えるのも精神的にきました。ですがやはりお客様が喜んでくれた時の空間や、自分を指名してきてくれているということが何よりも嬉しくて、やりがいは大きかったです!
美容師が活躍する職場2:百貨店、化粧品専門店
百貨店、化粧品専門店では、ビューティーアドバイザー(BA)や美容部員として働くことができます。
仕事内容
お客様の悩みや要望を聞いて商品を提案したり、実際にメイクしたりして購入の手助けが主な接客業務です。他にも在庫管理したりイベントを準備したりと地味な作業も多くあります。華やかな職業に見えますが、購入してくれるかは自分次第になるので実力が問われる職になります。
特徴
化粧品メーカーに就職して自社ブランドの商品をおすすめする方法と、ドラッグストアやビューティーセレクトショップに就職して様々なメーカーの商品をおすすめする方法があります。メイクが好きな人というより、人に喜んでもらうのが好きな人や商品の良さをアピールできる人が向いています。
この職は美容師免許が必要なものではありませんが、美容学校で触れる機会も多いため有利になる場合もあります!
美容師が活躍する職場3:エステサロン、脱毛サロン
エステサロン、脱毛サロンでは「ボディケア」「フェイシャル字ケア」「脱毛」「リフレクソロジー」などのジャンルでお客様を綺麗にします。
特徴
お客様は金銭に余裕がある方が多く、接客や言葉遣いなど一流のものを求められることも多いです。また、機械や自分の手で施術するので体力や練習が必要になります。
メリット
研修でお互いに施術しあったり福利厚生として安く施術ができたりするので、きれいになれるというメリットがあります。また最近ではメンズエステの需要も高まってきていたり、脱毛に対するハードルが下がっていることもあり、将来的にも今後伸びていく業界だと言えます。
こちらも美容師免許が必要な仕事ではありませんが、美容学校で触れる内容も多いため、資格保有者には有利だと言えます。
美容師が活躍する職場4:まつげサロン、アイラッシュサロン
仕事内容
まつげサロンやアイラッシュサロンでは、まつ毛パーマやまつ毛エクステ、アイブロウ脱毛などにより目元を魅力的にします。まつげサロン、アイラッシュサロンへの就職は近年高まっている人気の職場です。また、美容室と併設されているところも増えてきているので、新卒だと最初はまつ毛サロンでお客様を担当させるお店も多いです。
特徴
基本的には座り仕事で細かい仕事なので、手先の器用さと繊細な指使いが求められます。集中力が必要でずっと下を向いて作業しているため姿勢が悪くなりがちではあります。また大きなキャリアアップが少なく、高収入を稼ぐには難しい職になっています。
この職は美容師免許が必須となっているため、新卒だけでなく美容師を辞めた人の再就職先としても人気です。
美容師の仕事の1日の流れ
お店によってかなり異なりますが、美容師の1日の流れは下のようなものです。
美容師(アシスタント)の1日の流れ
8:00 出勤
9:00~ ヘアセット、身支度
9:15~ タオルたたみ、掃除
9:40~ 朝礼
10:00~ 開店、スタイリストのヘルプ、シャンプー、その他雑用など
20:00~ 片付け、掃除、タオル干し
21:00~ レッスン
23:00~ 店を出て帰る
美容師(スタイリスト)の1日の流れ
9:00 出勤
9:00~ ヘアセット、身支度
9:15~ タオルたたみ、掃除
9:40~ 朝礼
10:00~ 開店、カット、カラー、パーマ、SNSの更新など
20:00~ レジ締め、掃除
21:00~ 後輩のレッスン指導
23:00~ 店を出て帰る
レッスンをしない日の場合は21:00に帰る事ができますが、逆にお客様が長引いた場合だと24:00を回ることもあります。スタイリストの場合、業務形態によっては自分のお客様が終われば先に帰るったり、遅く来たりできることもあります。
昼休憩は日によるので11:00に入ることもあれば19:00に入ることもあるので不規則になりがちです。
あわせて読む:美容師の一日の流れ【スタイリスト・アシスタントの場合】
より良い職場を探すなら、転職を活用しよう!
今回紹介した通り、美容師の労働環境は正直いいほうではありません。特にアシスタント時代はお金や睡眠不足に困ることも多いと思います。
しかし、技術職なので身につけてえば職に困ることはなく、近年では働き方の選択肢も増えてきています。AIに侵食されにくく将来性もあり、自分次第でいくらでも稼ぐことができる職です。
ここまでが美容師に関する解説でした。皆さんの参考になれば幸いです!
美容師としての転職を考えている方は、東証プライム上場企業が運営する『リクルートエージェント』に登録をして求人を探してみましょう!