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「グループホームって何?」
「グループホームで働いてみたい!」
こういった方に向けて、この記事ではグループホームでの実務経験がある筆者が、グループホームについて分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてください!
石田 楓
北海道在住。商業高校卒業後、ホテルへ就職、web制作会社の営業への転職を経験する。20歳のときに初任者研修(当時のヘルパー2級)を取得し、グループホームの立ち上げスタッフとして介護施設へ転職。グループホームでは、現場職員として日常的な介護や夜勤を経験。23歳で介護福祉士を取得し、同じ介護業界の他社へ転職。配属先はショートステイで、2年ほど現場職員として勤務しながら社会福祉主事を取得。27歳のときに新規ショートステイ立ち上げメンバーに選ばれ相談員として異動。4年ほど相談員としてケアマネージャー・病院ワーカーとの連携や利用者家族の対応。現在は介護ライターとして活動する。【保有資格】介護福祉士、社会福祉主事
グループホームとは?どんな施設?
グループホームは、知的障害者や精神障害者、認知症高齢者などが専門スタッフの支援のもと集団で暮らす家のことを指します。グループホームの形態は、以下のように大きく2つに分けられます。
グループホームの形態1:生活援助事業
生活援助事業としてのグループホームは、知的障害者や精神障害者が自立的に生活出来るように組まれたサービスです。
障害者が独力で社会生活を送る上で能力の欠如している部分(金銭管理・食事・服薬など)を支援スタッフが補いながら、小規模作業所における就労等での社会生活を順調に送ることができるように作られたものです。通常は、福祉作業所の近くの民家で、5~6人で共同生活を送ります。(出典:厚生労働省/e-ヘルスネット)
グループホームの形態2:介護サービス
介護サービスとしてのグループホームは、認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供するサービスです。「認知症対応型共同生活介護」とも呼ばれ、病院でのケアより単調でない、実生活に近く家庭的なケアを実現します。
グループホームで利用者は、家庭的な環境と地域住民との交流のもとで、食事や入浴などの日常生活上の支援や機能訓練などのサービスを受けます。ここでのサービスは、利用者が可能な限り自立した日常生活を送るという介護予防の目標のもと行われます。
- 地域密着型サービス(地域に密着した小規模な施設)
- 介護予防サービス
- 1つの共同生活住居に5~9人の少人数の利用者が、介護スタッフとともに共同生活をする
(引用:厚生労働省/介護サービス情報公表システム、厚生労働省/e-ヘルスネット)
ここから先は、介護サービスとしてのグループホームについて解説していきます!
グループホームの仕事内容は?
グループホームでは、利用者の生活のサポートを行います。認知症の高齢者に対して、共同生活住居で、家庭的な環境と地域住民との交流の下、入浴・排せつ・食事等の介護などの日常生活上の世話と機能訓練を行い、能力に応じ自立した日常生活を営めるようにすることが仕事です。
日常生活動作の支援 | 食事の用意掃除・洗濯 |
身体に関する介護 | 着替え排泄洗面・整髪入浴夜間の安否確認 |
健康管理 | バイタルチェック服薬管理・介助 |
余暇活動 | レクリエーション簡単な生活リハビリ |
基本は他の介護施設と大きな違いはありません!
グループホームの場合は「できることは自分でする」を基本としているところがほとんどですので、介護スタッフだけで掃除・洗濯・食事の用意をしてしまうことはありません。
食事の盛り付けを手伝ってもらう・洗濯物を畳んでもらう・テーブルを拭いてもらうなど、利用者のできることを探してあげるのもグループホームに勤めるスタッフの仕事です。
介護福祉士、社会福祉主事/石田楓さんの体験談
私は、3年ほどグループホームで働いていた経験があります。当時は現場スタッフとして利用者と関わっていました。結論、グループホームでの勤務はとても充実しており、毎日職場に行くのが楽しみだったのを覚えています。「今日は利用者と何をしよう」「今日の献立では、どの工程を手伝ってもらえるだろうか」「レクリエーションは何をしよう」「どうしたら楽しんでもらえるか」などを毎日考えていました。グループホームは一人ひとりに寄り添った介護ができる施設ですので「散歩に行きたい」と言われたら散歩に行き、「買い物に行きたい」と言われたら、時間を作って買い物に行きました。比較的自由度が高く、決められたマニュアルがなかったのも、楽しく働けた理由の一つだと思っています。「ゆっくりと利用者に関わりたい」「一人ひとりに寄り添った介護をしたい」と考えている方には、ぜひおすすめしたい職場です。
グループホーム介護職員のデータ
グループホームで働くスタッフは、他の入居施設と比べて比較的年齢層が高めとなっています。給与の水準は低めですが、勤続年数は8年以上と、それほど短くもありません。
【入所介護サービス別】介護職員の平均年齢・平均勤続年数・平均給与(常勤) | |||
---|---|---|---|
サービス形態 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均給与 |
介護老人福祉施設 | 40.8 | 9.0 | 345,590円 |
介護老人保健施設 | 41.7 | 10.5 | 338,390円 |
介護療養型医療施設 | 46.6 | 10.0 | 287,070円 |
介護医療院 | 45.1 | 10.6 | 307,550円 |
特定施設入居者生活介護事業所 | 42.8 | 7.1 | 319,760円 |
小規模多機能型居宅介護事業所 | 46.2 | 7.5 | 289,520円 |
認知症対応型共同生活伊介護事業所 | 47.6 | 8.3 | 291,460円 |
他の入居施設よりも入居者数が少なく、利用者と関わる時間が比較的長いのも、平均年齢を上げている要因であると考えられます。
グループホームでの業務一日の流れ
グループホームにおける1日の流れは、以下のとおりです。
6:00 | 起床 | 入居者の起床を促し、着替え・洗顔・整髪_排泄介助などを行います。 |
7:00 | 朝食の調理 | 朝食の用意をします。朝食の場合、利用者に手伝ってもらうことは少なく、ほとんどはスタッフで用意します。 |
7:30 | 朝食 | 朝食の提供・見守り。必要であれば、介助にも入ります。 |
8:00 | バイタルチェク | 体温・血圧を計ります。 |
8:30〜 | 余暇活動・入浴 | 洗濯・掃除などを行います。利用者に手伝っていただける作業があれば、一緒に取り組むことも多いです。また、入浴担当者によって、順番に入浴へ行く場合もあります。 |
11:00 | 口腔体操昼食の調理 | 嚥下体操ともよばれており、食事前の体操を行います。 |
12:00 | 昼食 | グループホームでは、食器洗いなどの後片付けも手伝ってもらうことが多いです。 |
15:00 | おやつ | おやつは、出来合いのものをみんなで食べるか、手作りする場合もあります。 |
15:30 | レクリエーション | おやつの前後にレクリエーションを行います。 |
17:00 | 夕食の調理 | 簡単な調理や盛り付けを手伝ってもらいます。 |
18:00 | 夕食 | 必要に応じて食事の介助に入ります。 |
18:30 | 寝る準備 | トイレに行き、歯を磨いてパジャマに着替えます。解除が必要であれば、適宜お手つだいします。 |
20:00 | 就寝薬の介助 | 就寝薬がある場合は、服薬の介助にも入ります。 |
22:00〜 | 巡回 | 定時で巡回に周り、ナースコール対応なども行います。 |
食事の用意は、他の施設でみられないグループホーム独自の業務です!
グループホームで働くメリット
グループホームで働くメリット1:利用者とゆっくり関わることができる
前述のとおり、グループホームは1ユニット最大9人と、比較的こじんまりした施設です。そのため、1フロアに20人・30人といるような大きな施設に比べて、利用者とゆっくり関わることができます。
流れが作業のような介助や、業務に追われて1日が終了するような施設で働くのがあまり向いていない方にとっては最適な職場です。
グループホームで働くメリット2:認知症に対する対応力が身に付く
利用者が認知症の方ばかりですので、おのずと認知症に対する対応力が身につきます。認知症ケアに関する知識や経験を身につけたい方にはおすすめです。
施設によっては、認知症ケア専門士などの認知症に関する資格取得を支援しているところもあります。認知症ケアの知識は、他の施設で勤務した際も活用できる施設ですので、身につけておいて損はありません。
グループホームで働くメリット3:自由度が高い
グループホームは自由度が高い職場であるといえます。利用者の気持ちに寄り添った仕事ができるため、今まで関わりよりも業務を優先する施設で働き、ストレスを感じていた方にとってはおすすめの職場といえます。
グループホームのほとんどは、画一されたマニュアルがありません。自主性を重んじ、入居者を基準として業務を回すためです。ある程度の役割分担やスケジュールはありますが、臨機応変に対応しなければならない場合がほとんどです。
グループホームで働くデメリット
グループホームで働くデメリット1:医療的な経験や知識が身につきにくい
利用者の大半が医療的な処置を必要としない方なので、「医療的な知識や経験を身につけたい」「介護技術を高めたい」と考えている方には不向きの職場だと言えます。
グループホームの入居者は、認知症の症状こそあるものの身体的には元気な方が多い傾向です。老健や特養のように自立度が低く身体介護が多い方はそれほど多くありません。
グループホームで働くデメリット2:認知症対応がストレスになる場合もある
グループホームでの勤務は、認知症への理解がなければストレスが溜まる職場になり得るともいえます。なぜなら、認知症特有の記憶障害・見当識障害・実行機能障害・失語・失行・失認といったBPSDと呼ばれる症状により、スタッフが精神的に疲れてしまう可能性がある為です。
「身体介護は得意だけれど認知症対応は苦手」というスタッフも一定数いるため、認知症対応が向かないと感じた場合は、違うサービスへの部署異動か転職を希望してもよいかもしれません。
BPSDは、スタッフの間違った対応によって引き起こされるケースもあります。
グループホームで働くデメリット3:入居施設の中では給与が低い
『グループホーム介護職員のデータ』でも提示したとおり、グループホームは入居施設の中でも給与が低い方です。ただし、入居施設のなかでは低めというだけで、通所サービスと比較すると、若干高めの水準を維持しています。
あくまで統計ですので全てのグループホームの給与が低いとも限りませんが、筆者の肌感としてもグループホームは平均して給与が低いように感じます。
グループホームでの仕事はどんな人におすすめ?
以下の特徴に当てはまる方は、グループホームでの勤務が向いています。
- 利用者とゆっくり関わりたい方
- 認知症への対応がそこまで苦痛ではない方
- 自分で考えて行動できる方
- 大きく稼ぐ必要のない方
反対に、以下の条件に当てはまる方は、グループホームにあまり向いていないかもしれません。
- 認知症への対応があまり得意ではない方
- 自分のペースを崩されたくない方
- レクリエーションが苦手んが方
ベット数が多い施設で勤務した経験のある方がグループホームへ転職した際、時間の使い方が全く違い、驚く方も少なくありません。グループホームでは基本的に利用者本位で業務を組み立てるため、スケジュール通りに仕事が進まないことが多々あります。
実際「この業務が終わったら排泄介助に入ろうかな」と思っていても、利用者の帰宅願望が強くなってしまい、対応で1時間以上とられるケースもあります。このような事態にストレスを感じない方でなければ、グループホームは難しいかもしれません。
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